さやかなる月の光か わが心(むね)か 居るはウサギか ほとけか阿字か(ジャータカ番号316番「ササ・ジャータカ (Śaśa Jātaka)」)
照滴053
本文
さやかなる月の光か わが心(むね)か 居るはウサギか ほとけか阿字か
(ジャータカ番号316番「ササ・ジャータカ (Śaśa Jātaka)」)
形式
#短歌
カテゴリ
#8.比喩・諷刺・諧謔・引用
ラベル
#月 #比喩 #仏 #真言 #引用
キーワード
#月光 #心象 #ウサギ #ほとけ #阿字 #ジャータカ #心
要点
月光の下での心象遊び、ジャータカの引用を取り入れた詩。
現代語訳
澄んだ月の光なのか、自分の心月輪なのか。そこにいるのはウサギか、仏か、阿字か。
さやかなる月の光かわが心(むね)か 居るはウサギかほとけか阿字か(ジャータカ番号316番「ササ・ジャータカ (Śaśa Jātaka)」)_浅深の解釈
注釈
ジャータカ316番:兎本生譚(ウサギの物語)。
阿字:梵字の最初の文字「ア」、仏の根本を象徴
解説
月光と心、仏性と象徴を重ねる比喩的表現。古典の引用を現代の心象に重ね、遊び心と悟りを同時に描く。
深掘り_嵯峨
真理の源と観想の対象に関する問いの歌です。「さやかなる月の光」(真理)が、外にあるのか内にあるのか(心か)。また、月に見えるのは、自己犠牲の象徴である**「ウサギ」(ジャータカ物語の引用)なのか、真理の形である「ほとけ」や「阿字」なのか、という多層的な観想の対象**を重ねています。**自己犠牲(慈悲)と真理の形(智慧)が、月という清浄なモチーフの中で一体化していることを示唆しています。